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あじたまトッピング
近年ではビタミンD欠乏と精神疾患が関連性があると多く報告されています。ビタミンDの役割の中には神経伝達物質の生成などに深く関わっており欠乏すると精神疾患を患う可能性があります。
ビタミンDはD2からD7の6種類ありまだ分からないことが多いビタミンとなっています。ビタミンDの発見は1919年にアメリカで日光を遮断した室内で飼育された犬が骨軟化症になることを観察したことから始まり、タラの肝油を与えたことにより症状が改善されたことから発見、研究が行われています。
上記の通りビタミンDはカルシウムの吸収を助け骨を丈夫にする役割を持っています。一般的認知はこの骨作るためのビタミンとして広く認知されていますが、近年では抗うつとしての効果が期待されています。
研究段階のものが多いですが、世界中ではかなり研究されているそうです。
KAKEN - 骨粗鬆症治療薬ビタミンDの単剤投与は抗うつ活性を有するか?
研究課題から抜粋要約すると、
ビタミンDの不足とうつ病の関連性が報告されている
骨以外でも身体の多くの場所でビタミンDから刺激を受けている場所が確認されている(脳など)
実験でビタミンDの摂取によりうつ病の際低下してしまう脳内物質(GDNF)の発現が誘発された
ビタミンD単剤投与の抗うつ活性は臨床的に確立していない
のように現在の研究では関連は見られるが、新しい抗うつ剤としての代用までは至っていないという内容になっています。
ビタミンDはD2〜D7まであるため体内に取り込まれる方法がそれぞれ違います。
由来 | 特徴と用途 | |
ビタミンD2 | 植物や菌類(特にきのこ類)に含まれます。 | 植物が日光や紫外線にあたることで生成される特徴があります。人体への効果は体内でカルシウムやリンの吸収を助けます。 |
ビタミンD3 | 魚類、卵黄、乳製品、または紫外線を浴びた人間や動物の皮膚で生成されます。 | 動物由来で人体が紫外線を浴びることでも生成されます。D2よりも吸収率が高く、カルシウムやリンの吸収を効率よくサポートします。 |
ビタミンD4 | 一部のキノコ類で発見されることがあります。 | 研究報告があまりないですが、D2やD3に比べ人体への利用可能性が低いと考えられています。 |
ビタミンD5 | 一部の植物で生成されることがあります。 | 抗癌効果を期待され研究対象になっていますが、人体における役割や効果についてはまだ明確な結論が出ていません。 |
ビタミンD6 | 厳密にはビタミンDの一種ではなく、ビタミンD3の代謝産物。 | 体内でビタミンDの状態を示す指標として使われます。血中濃度を調べる際に測定されます。 |
ビタミンD7 | 生成や供給源に関する情報が非常に少ないです。 | 人体における有用性がまだ明らかになっていません。 |
摂取方法は植物、魚類、卵黄、乳製品など様々なものから摂取可能であり、日光を浴びることでも生成することが可能です。
上記のようにビタミンDの半分近くは謎に包まれています。明確に効果などが報告されているのはカルシウムやリンの吸収のサポートぐらいですが、研究分野では生理的調整機能対して作用する物質として長寿ホルモンなどとも言われています。
出典:Vitamin D moderates the interaction between 5-HTTLPR and childhood abuse in depressive disorders
要約
ビタミンDとうつ症状の繋がり
ビタミンDは脳で「セロトニン」という物質を作る手助けをします。セロトニンは気分を安定させる働きを持っており、うつ症状に大きく関係しています。ビタミンDが不足すると、このセロトニンの働きが弱まって、うつになりやすくなるかもしれないと考えられています。
特定の遺伝子、幼少期の経験、ビタミンDの影響の関係
ある遺伝子(5-HTTLPRと呼ばれるもの)を持っている人は、特に幼少期に虐待などのストレスの多い経験がある場合、うつ症状を感じやすい傾向があります。さらに、この遺伝子を持つ人がビタミンD不足だと、うつ症状が特に強くなることがわかりました。
ビタミンD不足を測るための指標と結果の確認
ビタミンDの血中濃度の代わりに、遺伝子マーカーの「rs4588」という指標を使っても同じ結果が得られました。このことから、ビタミンDが体にどのくらいあるかが、気分やうつ症状に影響することがわかりました。
ビタミンDの効果が期待される理由
ビタミンDを取ることが、幼少期に虐待を経験したり、気分が落ち込みやすい体質の人にとって、うつ症状を和らげる助けになる可能性があります。このため、ビタミンDの効果を確認するための臨床試験がさらに進められています。
まとめ
この研究は、ビタミンDが「気分のバランスを取る」うえで役立つ可能性があること、そして遺伝や幼少期の経験がうつ症状にどう影響するかを詳しく調べています。ビタミンDを意識的に摂取することが、特にストレスの多い経験を持つ人にはメリットがあるかもしれない、という示唆がされています。
ビタミンDとうつ病の関連性はまだまだ研究途上ではありますが、多くの研究結果が報告されています。気分を安定させる役割が確立されれば新しい抗うつ剤としての期待もされています。
日常的摂取することを心がけて生活しましょう!